加算より先に「減算ゼロ」|障害福祉事業所が運営指導前に確認すべき4項目

1なぜ今「減算対策」が最優先なのか

障害福祉サービスの運営指導の実施率は、現状まだ16%台にとどまっています。しかし予算が急増する中で行政の監視は強化されており、今後、運営指導は間違いなく増えていきます。

本来、事業所は新規開設後1年以内に1回、その後もおおむね3年に1回、少なくとも6年に1回の指定更新までの間に1回は運営指導を受けるのが原則です。「まだ来ていないから大丈夫」と考えるのは危険です。

加算を取ることより、まず「減算にならない」こと

加算を取ることよりも、まず減算にならないようにする。これが事業所がいま最優先で取り組むべきことです。

人員体制や減算項目について、まずは自分の事業所の現状を正しく把握し、無駄な減算が発生しない状態を作ることが第一歩です。加算で報酬を上乗せする前に、足元の減算で報酬を取りこぼしていないかを確認しましょう。

2見落とされやすい減算リスク4つ

実際に事業所のファイルを確認すると、最も抜け落ちやすいのが次の4つの減算です。いずれも「やっているつもり」で記録や手続きが整っていないケースが多く見受けられます。

  1. 情報公表未報告減算
    障害福祉サービス等情報公表制度への報告を行っていないと減算の対象になります。報告期限の管理が抜けていないか確認しましょう。
  2. BCP(業務継続計画)未策定減算
    感染症・自然災害に備えたBCPの策定と、それに基づく研修・訓練の実施が必要です。策定しただけで運用が止まっていないか要確認です。
  3. 身体拘束廃止未実施減算
    身体拘束等の適正化のための指針整備、委員会の開催、研修の実施が求められます。記録が残っていないと未実施と判断されます。
  4. 虐待防止措置未実施減算
    虐待防止委員会の設置・開催、研修の実施、責任者の配置が必要です。形だけになっていないか、実施記録まで確認しましょう。
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これら4つは減算額が大きく、運営指導で指摘されると報酬への影響が小さくありません。「実施していたが記録が残っていない」だけでも減算と判断されることがあるため、研修や委員会の実施記録の整備まで含めて対応することが重要です。

3減算と併せて確認したい運営基準と書類管理

減算項目だけでなく、減算には直結しないものの運営基準違反として指摘されやすいポイントもあわせて押さえておきましょう。

運営基準違反になりやすい項目

グループホームの地域連携推進会議や、施設外支援などは、実施していないと運営基準違反として指摘される可能性があります。年度内に必ず実施すべきものは、期限を区切って確実に行いましょう。

処遇改善加算は必ず取得を

処遇改善加算は、要件を満たせる事業所であれば必ず取得しておきたい加算です。減算対策と並行して、取れる加算の取りこぼしも防ぎましょう。

書類の保存期間は「最終サービス提供日から5年間」

書類の保存年数も間違えやすいポイントです。起算点は契約日や年度末ではなく、その利用者への最終のサービス提供日から5年間です。退去した利用者の記録も、最終提供日を基準に5年間保管しておく必要があります。

4まとめ:運営指導が増える前にやるべきこと

運営指導が本格的に増える前に、いま事業所が確認すべきことを整理します。

  • 4つの減算リスクの実施状況を確認する 情報公表未報告・BCP未策定・身体拘束廃止未実施・虐待防止措置未実施の4点を、記録の有無まで含めて点検しましょう。
  • 研修・委員会の「実施記録」を整える 実施していても記録がなければ未実施と判断されます。研修や委員会の開催記録を残す運用を徹底しましょう。
  • 運営基準項目と加算の取りこぼしを点検する 地域連携推進会議などの運営基準項目を期限内に実施し、処遇改善加算など取れる加算は確実に取得しましょう。
  • 書類は最終サービス提供日から5年間保管する 起算点を間違えず、退去者の記録も含めて保存期間を管理しましょう。

加算を取る前に、まず減算にならない体制を整えること。これが運営指導の増加に備える、最も確実な経営防衛です。

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